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父が逝った―亡くなるまでの1週間を振り返って―Ⅺ(おしまい)

すると先生についてきた看護婦さんが「お身体をきれいにして、お着換えしていただこうと思うのですがよろしいでしょうか?」と、聞いてきた。

まだ若いようだけど、この子がそんな役割を担当するんだ!と、内心少し驚く。

私たち家族はしばらく外に出てそれを待つことにした。

 

10分ほど外で待っていると、先ほどの若い看護婦さんが「終わりました。」と私たちに告げる。

中に入ると父は静かに眠っていた。

やや黄ばんだ顔色は、今まで何人か見送ってきた人たちと同じような肌の色だった。

 

前もって頼んでいた葬儀屋さんが遺体を運び出す。

残った私たちは何枚かの書類に、必要な事項を書き込んだり署名をしたあと、部屋を片付ける。

 

亡くなった後の病院からの撤収はあっさりとしたものだった。

ぐずぐずウエットにしているわけにもいかないのだろう。

これが病院における日常の光景なのだ、と思い知らされる。

 

家に着くと、父の遺体は既に和室の新しいきれいな布団の上に寝かされていた。

このあと、仮通夜、本通夜、告別式と世の中の習慣にしたがって所定の手続きが忙しく流れた。

遺族というのは悲しみに耽っている暇すらないのだ。

 

入院から亡くなるまで5日間、こうやって父との最期の日々は終わった。

残念ながらすでに十分なコミュニケーションは取れない状態だったが、それなりに濃い時間を過ごすことができたと思う。

 

父は薄れ行く意識の中で何を思っていたのだろうか。

幸せだったのか。

私にはわからない。

さらば親父。

 

おしまい 

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