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キーワード:「管理」と「経営」その違いについて考える

所長ブログ 自らの姿を俯瞰できるか:「管理」と「経営」その違いについて考えるⅩ(おしまい)

このように管理と経営の違いはいろいろあると思いますが、世の中によくある誤解は、先述したように「管理」を「経営」そのものだと思っていることではないでしょうか。

仕事の現場としての組織にある程度の規模や型ができてきたときに、「管理することが経営」と誤解する経営者が出てくるのではないかと思います。

トップが、この考え方に固まってしまったら、おそらく組織の発展成長は難しくなるでしょう。

 

組織編成上の一つの方法論としては、経営者の下に「中間管理職」を儲けることになります。

中間管理職の責務はその名の通り、部下や下部組織を管理することに軸足を置きます。

 

大企業では、この中間管理職についてもさらに階層がわかれているのでしょうが、中小企業の場合はそのすぐ上は経営者ということになります。

小さな組織ながらも、経営者のポジションに就いたならば、内向きの権限の大半は中間管理職に委譲して、眼を大きく外に向けるべきだと思います。

 

私は、ここの切り替えがうまくできていない中小零細企業のオーナー経営者を多く見てきました。

経営者はしかるべき時期、この「切り替え」に向かってのルール作りを検討することになるのではないでしょうか。

更に組織が大きくなってくれば、「管理」に関してよりきちんとしたルールの整備など、取り組まなければならないより難しい課題が出てきます。

 

しかし、経営者にとってそれ以上に重要なのは、「経営」という視点で、自社の全体像を「俯瞰」し続けられるかどうかです。

管理と経営、経営者は考えてみるべき課題だと思います。

 

 

おしまい

 

所長ブログ 「内向き」か「外向き」かを考える:「管理」と「経営」その違いについて考えるⅨ

更に、管理と経営の大きな違いは「内向き」「外向き」か、ということです。

管理はほぼ100%「内向き」であるのに対して、経営は「内向き」だけでは済まされない要素が大半です。

経営は基本的な姿勢としては、「外向き」であるべきだと私は考えます。

 

お客さんに対して、自社のルール(支払い条件とか)をお伝えして、それに合わせていただくことはあったとしても、お客さんを自社の管理下に置くということはできません。

管理というのは、主として組織内部に対する統制を効かせることを目的として実施されるものです。

この「管理」するということを、しばしば「経営」そのものと勘違いしている向きがありますがそれはとんでもない間違いです。

 

経営の大きな課題は、自社を常に世間のどのようなポジションに置くのか、ということになります。

自社が、自社を取り巻くビジネス社会(取引先とか顧客とか従業員とか金融とか・・)から不必要とされたならば、立ち行くことができなくなるからです。

 

経営者には、いったん意識を会社の外に出して、自社を外側から俯瞰してみるという視点が必要です。

そうやって常に自社のポジションが、世間にとって相応しい位置にあるのかを確認するのが経営ではないでしょうか。

もちろん、管理者としての一面も持ちながら、社内に対して目を向ける必要もありますが、経営者にとってより重要なのは「外向き」な意識を常に持ち続けられるか、ということだと思います。

 

つづく

 

所長ブログ 「想定外」にチャレンジする:「管理」と「経営」その違いについて考えるⅧ

それから、管理と経営の違いは、「想定内」「想定外」の対処法に現れると思います。

私の仕事のようなサービス業の場合、ビジネスの間口を広く取っていますと、ときに「想定外」の案件を依頼されることがあります。

それまで取り組んだことのないような提案書とか、企画書の作成とか、新規事業に関するシミュレーションであるとか様々です。

 

こういった依頼を、こちら側の資格要件にない項目であるとか、専門外であるとか言った理由で「管理できないから」と、ことごとく断っていたのでは、将来に向かって経営を向上させることはできません。

そういった未来形に繋がるかも知れない依頼に対しては、例え「想定外」の仕事であってもできるだけ受けるべきというのが私の考えです。

かなり難しいな、と感じてもどう断るかではなく、どうやったらできるだろうか、と考えるべきなのです。

 

この考え方はそもそも「管理」とは馴染みません。

最も「管理」とは遠いところにある考え方だからです。

「想定外」の仕事というのは、それにかかる時間も予算も投入すべき労力もアバウトにしかわかりません。

つまり、事前にすべてを予測することが難しいのです。

ということは、見積もりを誤れば赤字を覚悟しなければならない局面も考えられることになります。

 

これは「管理」という体制に全く馴染まないといってもいいでしょう。

だからといって、新しいことへのチャレンジを避けていたのでは未来はないことになります。

私の業界に最も欠けていたマインドではないでしょうか。

 

つづく

所長ブログ 管理の先にある経営判断:「管理」と「経営」その違いについて考えるⅦ

それでは経営と管理はどこが違うのでしょうか。

管理というのはルールや数字などで規定することができます。

それに準拠していなければアウトという判断を下していい訳です。

 

しかし経営はそうはいきません。

ときにルールを破るというよりもルールを超えた判断をしなければなりません。

私はその判断を未来に繋がるか否かを基準にしています。

 

管理というのは今あるルール、或いは過去の規定に照らして、その基準に外れていないかで判断します。

当たり前のことです。

しかし、ときとしてそれを超えた判断を迫られるタイミングがあります。

 

微妙なケースが多いので、なかなかそのサンプルを示すのは難しいのですが、例えば子育て支援です。

私の事務所は、子育て中の女性職員やパートが多いので、子供の都合での遅刻早退欠勤はごく日常的になります。

彼女たちは、管理ということで言えば管理しにくいタイプの働き手になるのではないでしょうか。

 

もし、事務所に予め厳格なルールが敷かれていて、そのルールだけで厳しく当たっていたら彼女たちは働けなくなります。

私は将来に向かっての事務所経営を考えたときに、女性の戦力は不可欠と考えていたので、このこと(子育てによる都合)は全面的に受け入れることにしました。

時間的の穴の開いた部分は、他の時間を使って埋め合わせるか、職員同士の連携でシェアすれば何とかなると思ったからです。

 

ただ、リクルートに際して彼女たちを面接すると、そのことが理由でこれまで就職できなかったという話はよく聞きました。

これはまさに「管理」が先にありきの、従来の企業運営ではないでしょうか。

 

つづく

 

所長ブログ 事務所の規模と管理体制:「管理」と「経営」その違いについて考えるⅥ

実を言えば、途中私は、そういった体制を作っていくために最も必要なのは「管理」なのではないか、と思った時期がありました。

事務所の最大の弱点は管理体制が整っていないことなので、ここを整備すれば事務所の発展につながる、と思ったのです。

そのために他の事務所の管理体制について随分ヒアリングし、「うちはできていないなあ・・・」と悩んだりしました。

 

ところが途中でふと気が付いたことがありました。

私が参考にしようと思ったのはいずれも私の事務所より小規模のものでした。

つまり、それは管理体制が立派というよりは、その規模でしっかり管理をしたいからそうなっているに過ぎない、ということに気が付いたのです。

税理士としては、その規模でそういった体制を敷きたいというタイプの方が多いことは確かです。

 

そう思ったとき、これは全く参考にならないということに気が付きました。

私の目指すものはまるで規模が違うからです。

 

厳しい或いは明確なルールを作って管理するというのは、組織運営の意味で必要なことではあるのでしょうが、それだけで「経営」ができる訳ではありません。

 

管理やルール作りというのはどこまで行ってもきりがない世界です。

ひとつの管理体制が出来上がって、これでよしということはありません。

必ずまた新しい問題が浮上してくるからです。

常に整備は必要なもののそこにばかり手を取られていては経営の発展はありません。

私はどうも途中、管理=経営と勘違いしていたフシがあるのです。

 

つづく

 

所長ブログ 所内制度の整備とその次は?:「管理」と「経営」その違いについて考えるⅤ

もう一つ、外側からのル-ルの規定としては、まずは法令遵守について世間並みのレベルにすることを心掛けました。

もちろん、それまでも意図的に法令違反などしていたわけではありません。

 

しかし、有給休暇や労働時間など、法的な規制が次第に厳しく規定されていった中で、追いついていない項目もまだ多かったのです。

これらに関して、まずは常識的なラインで、先達事務所の事例などを参考にしながら所内制度を作っていったのです。

 

こういった整備が遅れていたのは、地域的な周りの経営環境レベルがあまり高くなった、ということもありました。

私がこうやって自社のル-ル作りなどを続けていたその頃でも、周りの中小零細企業を見渡せば、地方における現状はとても整備された状況とは言えないものでした。

 

なんとか頑張りながらも、私の性格からしてそこそこアバウトにルールや制度の整備は行なっていったものの「これでOK」という確信は持てないままでした。

現在、社内でそういったルール作りが得意な人材を得ることができましたので、社会保険労務士など外の力も借りて急速に所内制度の整備を進めています。

 

それはそれで必要なことなので、これからも整えていくつもりではいるのですが、それ以上に私には進めて行きたいことがあるのです。

それは事務所全体をどういった体制に持って行くか、ということです。

つまり、事務所経営として何を目指して、どれくらいの規模の、どういったタイプの組織に仕上げていくかという課題なのです。

 

つづく

 

所長ブログ 整備すべき最低限のルール:「管理」と「経営」その違いについて考えるⅣ

私の職場では、老若男女それぞれ働いている訳ですが、この人たちが一つの器の中で働くには、それなりのルールが必要になります。

このルールというのは、父や母が事務所を運営していた頃は、成文化されたようなはっきりとしたものはありませんでした。

その都度の父や母の都合や意向が、ルールといってもいいくらいの状況でした。

 

私は当時それが嫌で、世間並みのルールを決めてくれるよう、何回も父に迫ったものです。

そして、そのたびに大喧嘩をしたことを覚えています。

当時は私の事務所に限らず、町の商家も、旦那様と奥様、それに対する使用人という区分けが、お互い当たり前といった程度の意識でした。

時代背景も含めてそれはそれでいいところもあり、それなりに機能していたのでしょうが、私にとってはすでにあり得ない意識構造でした。

 

こんな風に、父や母がそれまでのやり方や考え方を変えることを極端に嫌ったため、しばらく様子を見ることにしました。

その後、徐々にルールの整備についても手をつけていったのは、私の時代になってからのことです。

と言っても初めからガチガチの決めごとを作っていったわけではなく、事務所の実情に沿った形で、先達の事務所の規定集などを参考に見よう見まねで作っていったのです。

これは内側の実情に合わせたやり方でした。

 

つづく

所長ブログ 多様性はプラスに考える:「管理」と「経営」その違いについて考えるⅢ

とはいえ、父や母は

「仕事で他人を使うのが一番大変で苦労が多い。身内でやれればその方がはるかに楽でいい。」

的なことをずっと言っていました。

私は

「そんなに人を使うのは難しいものなのか。」

と思ったものの、先述のように仕事は組織的に行なうことしか考えていませんでした。

 

で、実際組織のリーダーとなって経営を始めてからどうかというと、父や母が言っていたようなレベルや内容で、他人と仕事をすることの大変さ、というものを特に感じたことはありません。

もちろん、人数が多ければそれはそれで難しい面はいくらでも出てくるのですが、それを受け入れなくては組織運営などできるはずもない、と思っています。

むしろ、父や母とは他人以上にぶつかることが多かったので、身内の方が難しいのでは・・と思ったくらいです。

 

さて、人数が増えればいろいろな問題が出てきます。

十人十色というくらい人間は多様な動物です。

この人間の多様性を受け入れられなければ、とても組織運営などできないでしょう。

私は原則としていろいろなタイプの人材を受け入れてきました。

そのことによって多少の失敗もあったことは事実ですが、それでよかったと思っています。

 

というのは、社員募集を行なうと実にいろいろなタイプの人がやってきます。

その入口のところでみんなの多様性を否定するほど、贅沢な人選などやっていられない、という地域的な事情があったからです。

ある程度の能力があると判断したならば、あとは個性など多少のことは目をつぶってでも受け入れていかなくては、余裕で選ぶ余地などありませんでした。

逆にそのことは、あとになってみれば多彩な人材に恵まれた、というプラスの効果にも繋がったと思います。

 

つづく

所長ブログ 税理士事務所の規模と目指す方向性:「管理」と「経営」その違いについて考えるⅡ

ところが税理士として仕事を始めてみると、意外にも上記のように職人的に仕事をしたいと思っている人の方が多いことに気が付きました。

自分でほとんどの処理作業や業務のチェックに関わりたい、それをこなしたい、という考えの人が多かったのです。

 

「意外にも・・」と書きましたが、よく考えてみれば、そっち方が普通だったのかな、と今になってみれば思います。

そもそも、税理士という資格で食っていくことを目指す人に、そっちのタイプの人の方が多いのは、ちょっと考えてみれば納得のいくところでもあります。

 

そういう考えの人にしろ、私のような発想の人間にしろ、いずれにしても、初めから大規模に、という訳にはいきません。

多くの場合、最初はすべて自分でこなすことももちろん必要です。

 

ただ、そうなると事務所の規模はどうしても小さなものになります。

税理士一人と奥さん、あと職員が一人いるかいないか、パートを入れて総勢3人か4人・・・これくらいの人員構成になり、実際その規模の事務所が多いことも事実です。

問題はずっとそのままで行くのか、ということです。

 

私はこの規模で事務所運営を行なう気は全くなかったのですが、幸いにも父の事務所に入ったときには既に8~9人の体制になっていたので、業態の規模としてはすんなりと受け入れることができました。

 

つづく

所長ブログ 税理士事務所は家業か事業か?:「管理」と「経営」その違いについて考えるⅠ

 

私は現在19名の従業員とともに会計事務所を経営しています。

すべてのメンバーとしては、私と家内を加えて21名体制で、この手の事務所としては大きい方になります。

 

この規模になると、家業という訳にはいかず、意識としては事業経営ということになります。

従業員数が父の時代の倍以上、売上もそれに近い数字になってきています。

つまり、客観的な事業規模だけ見ていくと、私はある程度伸ばしてきたことになります。

 

それでは、私が、これまで立派な事務所経営を行なってきたのかといえばそうとも言えません。

右往左往あれこれ迷いながらなんとか続けてきた20年余りで、常に余裕はなかったなあ・・というのが正直な感想です。

 

さて、何故私が事務所をこの規模まで拡大してきたかといえば、「経営をしたかったから」にほかなりません。

「何かビジネスをするとすれば組織的に・・」

というのが私の考えでした。

 

言うまでもないことですが、税理士というのは、個人に付与された国家資格です。

だからといって、例えば、私の知識や専門性を職人技的に個人の単位で世の中に提供していくことで、それを自らの仕事にしていこう、という考えはあまりありませんでした。

この仕事をやるとすれば、組織的かつ部門担当別に事業を組み立てていくと思っていたのです。

 

つづく