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隣りに並んで座れたことがすごくうれしかった―昔はお勉強のできる子だったのだが・・もと秀才の行方―Ⅲ(一応おしまい)

地元の小学校に入学するに際して、地元でお勉強ができるらしいとうわさになっていた女の子が二人いました。

これに対して、父が転勤族だったため、まだ地元に馴染みがなく、意外なダークホースだった私は、そのお勉強で評判の二人を押さえてダントツ1番でした。

 

そういうわけで、たちまち学校では目立つ存在になった私は、1年生のときに卒業する6年生をお見送りする在校生代表の一人に選ばれたのです。

ところが、自分の役割が何のことやらわかっておらず、卒業式の会場でウロウロしそうになるのを、一緒に出席した件のお勉強のできる女の子の一人であるひらはらより子ちゃんに「お座りしてなさい。」と怒られたのです。

 

そうやって私を大人しくさせたひらはらより子ちゃんは、その後、在校生代表として、卒業するお兄さんお姉さんたちに「送辞」を読みました。

私は、先述のようにお勉強の方はダントツにできていたものの、その「送辞」を読む、などという役目についてはまったくなんの話もありませんでした。

また、あったとしても、あの頃の私では何のことやらピンとこなかったと思います。

 

ひらはらより子ちゃんは、そこのところをちゃんと理解していました。

そして、見事にその役割を果たし、「送辞」を読み終わると席に戻ってきて、私の隣りに座ったのであります。

 

彼女は自分のやるべきことを十分に心得ていて、なんなくそれをこなしました。

その上に、なんにもわからんちんの私の面倒まで見たのであります。

まるで年上のお姉さんのようでした。

 

まあそんな中、はっきり覚えているのは、ひらはらより子ちゃんは前述のようにフランス人形のようなとても可愛い子だったので、彼女の隣りに並んで座れたことがすごくうれしかった、ということであります。

思わぬ機会を得て、なにをやらされているのかわからぬままに『うへへ・・・』と、ただ内心喜んでいるだけの私の隣りで、ひらはらより子ちゃんはシャキッとおすまし顔で座っていたのです。

 

お勉強はできたもしれないけれど、そのほかのことはなんのことやらわからんちんだった私の原点ともいえる少々甘酸っぱさの残る思い出であります。

ひらはらより子ちゃんはどうしているかなあ・・・・

 

一応おしまい

 

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